TOPページに戻る > 一覧 > 気血水から読み解く玄米菜食

バックナンバー

気血水から読み解く玄米菜食

気血水から読み解く玄米菜食

日本人に最も合う食事療法として、長年支持されている〝玄米菜食〟。効果の根拠は諸説ありますが、伝統医学的な「気血水」の概念で読み解くと、その素晴らしさがより明確になります。
フードセラピストの畠山さゆりさんが、気血水の視点から玄米菜食について解説します。
文◎畠山さゆり 写真◎松本伸

気をめぐらせるために食を整えよう

気象、景気、人気、元気、陰気、病気、雰囲気、気の良い(悪い)、気が利く(利かない)、気が合う(合わない)―この他にも〝気〟を用いた言葉や言い回しは、枚挙にいとまがありません。気はエネルギーとも言い換えられ、肉眼で見ることはできませんが、私たちは〝気〟の存在と働きをしっかり認識しています。
では、気力を充実させ、健やかな美しさを保ち、元気で過ごすにはどうしたら良いのでしょう? そのヒントとなるのが、東洋思想の〝・・〟です。東洋思想では、人間の生命活動をこの3要素でとらえています。〝気〟はエネルギー、〝血〟は血液、〝水〟は体液を意味し、3要素がバランス良く循環することで健康が保たれると考えます。気血水が滞ること(の体質)も、少ないこと(の体質)もない、中庸の状態が理想です。
まず、気力の充実は体力あってこそ。元気を生み出すには、身体の構成要素である、〝血〟と〝水〟の状態を整えることが先決です。私たちの身体は食べ物で作られますから、食を整えることが健康を保つ一番の基本なのです。カロリー計算や栄養素だけで判断せず、食材の「味と性質」を知り、身体の状態に応じて必要な食べ物を選ぶことが「食養生」。食で命を養うことは、今だけでなく、5年先、10年先の「元気」の土台となり、私たちの健康と美を支えてくれることでしょう。

未精製の穀類(玄米、雑穀)で一汁一菜を基本に

ではどのように食養生を実践していくと良いのでしょうか。気血水の巡りを整えるベースとして必要なのはまず、「胃・脾の経絡を整える」こと。
具体的には、胃、すい臓を中心とした消化機能の働きを整えることが大切です。最初にきちんと消化できなければ、小腸で栄養が吸収できません。栄養の足りない血液が肝臓に送られても、たんぱく質の合成や代謝ができず、全身の細胞に栄養素と酸素が運べなくなります。
例えば、食べてもエネルギーに変換されにくい「燃費が悪い」タイプは、食べても満腹感を感じにくく、いつまでもだらだら何
かを口にしています。しかし、食事でしっかり栄養を消化吸収できるようになれば、むやみやたらとお菓子に手が伸びなくなります。
それには、最大のエネルギー源である「糖分」の取り方がとても重要。未精製の穀類(玄米、雑穀)や、芋や野菜に含まれるでんぷんの糖は、胃・脾の経絡を整え消化力がアップするとなってくれます。まずはご飯と味噌汁、つまり一汁一菜を基本にしましょう。糖分はお菓子でなくでんぷんで摂れば、細胞に栄養が行き渡り、口さみしさがなくなります。
精製した白砂糖や合成甘味料は、血糖値の乱降下を招き、すい臓に負担をかけます。肝や腎の機能を弱め、免疫力の低下を招く、とても危険な食材です。
まずベースとなる、栄養の取り入れ方を整えていきましょう。

気血水から読み解く玄米菜食

「肝」を養い〝血〟を整えよう

ベースを整えたら、次に気血水の〝血〟の質を高めていきます。そのためには、肝臓と小腸の働きを良くしていくことが大切です。
身体の仕組みを見ると、胃・脾で消化された食べ物は、小腸で吸収され、栄養分が最小単位に分解された後、肝臓に送られます。肝臓はその栄養分を、私たちの身体に合うように作り変えてくれる化学処理工場。基礎代謝の30%を占めるため、肝臓の活性化はとても大切です。
ですが、肝臓から全身に送られる栄養は、多過ぎても少な過ぎてもよくありません。肝臓で作られる胆汁は、脂肪の分解を担いますが、エネルギー代謝がうまくいかないと、多すぎる栄養(脂肪)の分解が追いつかず、血液内に中性脂肪が溜まり、皮下脂肪や内臓脂肪となって、生活習慣病の原因になります。
一方、血液内の栄養素などが不足すると貧血となり、全身に栄養素が行き渡らなくなって、冷えや頭痛を引き起こします。いずれにしても、のバランスが悪くなるのです。
を作る「肝」を整えるには、吸収力を担う「小腸」を養うこと。腸内環境を良くすることが、血の質を高めるのです。

「腎」を養い〝水〟を整えよう

血液の状態が良くなると、心臓から動脈を通じ、全身の細胞へとまんべんなく酸素と栄養が行き渡ります。ここで、気血水の〝〟の出番。水を司るのは腎臓。栄養配達が終わると、身体は栄養の回収作業を行います。余分な栄養素と老廃物を回収した血液が、腎臓に運ばれていくのです。
腎臓でろ過された99%の血液と水分は再利用され、1%が尿として排泄されます。水がめぐりやすい、水はけの良い身体になると、全身に〝気〟が張り巡らされます。
腎臓は生命力やホルモンも司る経絡です。なので、肝を養って活発に解毒させたり、リンパの流れを良くして老廃物を上手に流してあげると、腎の負担がぐっと軽くなり、いつまでも若々しくいられるでしょう。また、腸内環境を整えたり、汗をかき、皮膚の汗腺から排泄することでも腎が養われます。 栄養の取り方に気をつけ、肝・腎を養うことで、血・水が整い、気も巡ります。皆さんも食を整え、はつらつとした〝気巡り美人〟をぜひ目指してみてください。

プロフィール畠山さゆり(はたけやまさゆり)さん

畠山さゆり(はたけやまさゆり)さん

株式会社惣兵衛代表取締役。フードセラピスト/上級望診士。岡部賢二、山村慎一郎両氏の薫陶を受けマクロビオティックと望診法を学ぶ。オリジナルブランド無農薬玄米の販売、マクロビオティックカフェレストランの運営などを行う。著書に『実践! 菜食美人生活 食べる・出す・ときどき断食』、『人生が180°変わる! 美人社長が教える35才からのリセット術!』(共に小社刊)。

「美しくなる食事療法vol.1」の紹介はこちら

こちらの記事は「美しくなる食事療法vol.1」に詳しく掲載しています。
► 「美しくなる食事療法vol.1」の紹介はこちら