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腸内環境を整える玄米でアンチエイジング!

腸内環境を整える玄米でアンチエイジング!

美しい肌、そして健やかでスリムなボディのためには、腸内細菌をいかに〝育てる〟か、がカギを握ります。 ここでは、〝育菌〟に効果的な食べ物や食べ方を、ミス・ユニバース・ビューティーキャンプの講師を務めた「エコロクッキングスクール」の管理栄養士、加藤初美さんに伺いました。
取材・文◎吉川圭美

日本人の腸内環境を古来、整えてきたのが玄米

つややかな肌のために、スキンケアと同様に行いたいのが「腸ケア」。腸内環境が肌質を左右することは、女性の間ではもはや常識といってもいいほどで、〝育菌〟を習慣にしている人も多いでしょう。
そんな中で注目したいのが、玄米です。玄米を中心とした日本の伝統食のすばらしさを、自然食の料理教室「エコロクッキングスクール」講師で、管理栄養士の加藤初美さんに伺いました。
「私たちが提唱しているのは、『食事道』という考え方です。これは、日本人がこれまで食べてきたものこそが、もっとも身体に合っている『適応食』、その土地でその季節に採れた旬のものをいただく『身土不二』、一つの食材をまるごといただく『一物全体食』という、3つの柱からなっています。中でも、食事道ならではのスタンスが『適応食』でしょう」
これは遺伝子栄養学とも一致する考え方でもあるのだとか。
「例えば、コアラはユーカリのみを食べて生きていますよね。実はユーカリは毒性があるのですが、コアラが死ぬことはありません。それは、コアラが毒素を分解する腸内細菌を持っているからです。これは、人間も同じと考えることができます。つまり、人間は人間の食生活に合った腸内細菌を持っており、これまで食べてきた食事とともに進化してきたのです」
日本人が古来食べてきたものとして、まず挙げられるものといえば、玄米。
「日本人は粘膜が弱い人種といわれています。身体の中でもっとも繊細な粘膜は腸。この粘膜を掃除してくれるのが食物繊維であり、玄米なのです」 白米に比べ、食物繊維の量が約6倍も多く含まれている玄米は、育菌、美腸のために欠かせない食材というのも納得です。それがひいては、美肌や痩身にもつながります。
その働きの筆頭は、お通じを良くすること。便通が悪いと腸の中で毒素が発生しやすくなり、腸の鏡ともいわれる肌が荒れがちに。玄米には、お腹の中で膨れる不溶性食物繊維の他、ゲル状になって腸粘膜を守る水溶性食物繊維も含まれています。そのため、腸内をキレイにして美肌の助けになる上、満腹感が得られて小食になることから、ダイエットにもおすすめの美容食、というわけです。
「この他、玄米には強力な抗酸化物質も含まれます。老化や病の原因といわれる酸化と糖化を防ぐため、シミやシワ予防の他、血管や脳、内臓のアンチエイジングにも効果が期待できますよ」

人の寿命を司る「テロメア」も守る、玄米のミラクルパワー

さらに玄米の特徴である抗酸化力は、細胞の老化防止にも深く関わっています。
「細胞の核にDNAがありますよね。このDNAが収まっている染色体の先端には、〝命の回数券〟といわれる『テロメア』という部分があり、細胞分裂をするごとに短くなっていきます。そして一定の短さになると細胞分裂をやめてしまうのです。抗酸化物質は、寿命を司るともいえるこのテロメアを守る働きがあります。つまり、抗酸化物質が豊富な玄米は、細胞自体の老化も防ぐのです」
この玄米の持つ力は、玄米を米ぬかと麹菌で発酵させると、さらに高まることが明らかにされています。学術名を「FBRA」というこの玄米発酵食品は、がん予防にも優れており、国内の国公立大学を中心に長年研究され、国際的な学術誌でも21本の論文が公表されています。日本人が古来、食べてきた玄米は、とてつもない力を秘めているのです。

自前の腸内細菌を元気にすると効率よく〝育菌〟できる

研究の過程において、育菌についての意外な事実も浮かび上がってきました。それは、動物性の乳酸菌が日本人の育菌にはあまり適していないということ。
「菌は塩分に弱い存在です。動物性の乳酸菌は塩分のない環境で増えますが、日本人が昔から食べてきたぬか漬けなどの植物性の乳酸菌は、塩分が存在する過酷な環境の中で生き抜いてきた。日本人の腸とも相性抜群です。また、適応食の考えからも、〝国菌〟である麹菌の豊富な本醸造の味噌や醤油も、育菌力に優れています」
腸内環境を整える善玉菌を「プロバイオティクス」といい、近年の健康ブームは、このプロバイオティクスに重きが置かれがち。ですが、善玉菌のエサとなる成分である「プレバイオティクス」を摂ることこそ重要だといいます。
腸内細菌の種類や数、割合は人それぞれ。赤ちゃんは、母親の産道を通るときや、母親の手、母乳、自分の手をなめたりすることで菌を取り入れ、その人なりの腸内細菌を作り上げていくのです。自分の持つ菌を把握しないまま、いろいろな菌を摂るよりも、すでに持っている菌が育ちやすい環境を整えてあげる方が、長い目で見ると効率的、というわけです。
「プロバイオティクスが必要ないわけではありません。たとえ菌が腸内で定着しなくても、多種多彩な菌が腸を通過することで、〝菌活〟になるので、両方を組み合わせるとよいですね」
即効性の高いプロバイオティクスと、長期的効果のあるプレバイオティクス。その2つの長所を活かす考え方を「シンバイオティクス」といい、美肌に関係するビタミンB群が多く作られるようになることから、美容面でも評価されています。その観点からみると、日本古来のスーパーフードである玄米を中心とした伝統食は、まさにシンバイオティクスを叶える、美と健康のスーパーミールといえるでしょう。

プロフィール加藤初美(かとうはつみ)さん

加藤初美(かとうはつみ)さん

管理栄養士。十文字学園女子短大食物栄養専攻科卒業後、医薬品の研究助手や漢方薬局勤務を経て、株式会社玄米酵素運営の自然食料理教室「エコロクッキングスクール」指導講師となる。健康講座を年100回以上開催。2016 ミス・ユニバース・ジャパン・ビューティーキャンプや公立学校の講師も務める。

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