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料理で心を整える、食べ物で心を癒す
メンタルフード きほんのき

食べ物や料理は身体を整えるだけのものではありません。たとえば、最近話題の発酵食品は、腸内環境を整え心も健康に導くと言われています。また、丁寧に料理するという行為には、行動療法的な癒し効果もあるのです。2001年から「心と身体を癒すお料理クラス」を主宰している和田和歌子さんに、「心と食」について伺いました。
取材・文◎山村浩子 写真◎鳥谷部有子 料理写真◎幡原裕治

食事は心身を喜ばせるもの ストイックになりすぎないで!

高校時代までは体調不良が多かったという和田和歌子さん。大学時代に独学で体質改善に成功したことが、人生の転機に。

「いつ何を食べるかを自分で選び、料理する経験を経て、栄養の知識と自分の意思で、人生は健康的で豊かなものになることを自身の身体で学びました。大学では建築科で学んでいましたが、進路を決める時期に、本当に好きなことはなにか? と考えたとき、フードコーディネーターという選択肢に行き当たりました」(和田さん)

そして夢を実現すべく、大学卒業後、OLをして貯めたお金で栄養士の専門学校へ。夜はレストランの厨房でアルバイトをしながら、料理、製菓、パン教室などに通い、どんどん「食」の世界に魅了されていきました。25歳になった頃からは、料理やパン教室で講師の経験を積み、2001年に自らが主宰する天然酵母のパン教室「レザンジュブラン」をスタート。

しかしある時期、仕事での過労が重なり、体調を崩してしまいます。

「それをキッカケにマクロビオティック、薬膳、ローフード、アーユルヴェーダなどの〝ホリスティックでナチュラルな食〟に関心が深まり、ハーブ、ホメオパシー、フラワーレメディ、アロマ、ヨガなど、〝自然な自分に戻る〟ためのノウハウを学び、実践していきました」

現在では、一般社団法人日本発酵文化協会で学んだことを活かし、腸内環境を整えることで心身に働きかける発酵食品をレシピに取り入れ、ホリスティックフードセラピーを料理教室の軸にして、“心と身体にやさしい”美味しくてヘルシーな食事を提案しています。

「私の教室では、マクロビオティック、薬膳、ローフードなどを取り入れていますが、それらを信仰するようなストイックなものではなく、あくまで心身が喜ぶ食事の引き出しのひとつと捉えています。体質は人により違うので、食べたものが心身にどう影響するかを体感して、その日の体調や食べたいもの、今の自分にぴったりな食生活をクリエイトできるようになって欲しいのです」

何を食べるかと同じくらい、どんな気持ちで食べるかが大事

ひとつの知識に固執することなく、学んだことを必要な時に取り入れるライフスタイルがちょうどいいと、和田さん。

「そして、私が常にお話しするのは、“何を食べるか?”と同じくらい、“どんな気持ちで食べるか?”が大切だということです。楽しい気持ちで食べることがなによりも、こころを豊かにしてくれます」

身体に良い食材でも、神経質になったり、ストレスを感じながらの食事では意味がありません。栄養バランスは1食で完璧にならなくても、3食でバランスをとる。1日で無理なら、3日でつじつまを合わせる……といった柔軟性が必要。

「食べ物は薬ではないので即効性はないけれど、身体に優しい食事を“楽しく”摂り続ければ、心も身体も健やかで快適なものになってくれるはず。そして、逆に食べ過ぎれば、どんなものでも毒になり得るのです」

和田さんの教室では、まず深呼吸と軽いストレッチから始まります。こうしてリラックスと体温を上げることからスタートし、巡りを促すスムージーを飲みながら、自己紹介をします。

料理の内容は発酵食品を必ず使うのが特徴。腸内環境が整い、免疫力のアップ、アレルギー症状の緩和やメンタルの安定も期待できるそう。

「料理教室では温かい雰囲気で同じ時間を過ごし、料理をすることで得られる達成感が癒しの効果にも。ここに来て元気になり、家に帰ってから、ヘルシーな生活&料理を実践する“やる気”が出てくれればと思っています」

和田さんの料理教室の参加者からのアンケートでは、便秘、冷え、肌荒れの解消、花粉症の軽減、風邪をひかなくなったなどの声が多数。なにより心が豊かになった……という感想が目につきます。現在、神奈川県逗子市で教えていますが、県外から2時間かけてくる生徒さんが多いという、大人気の料理教室に!

以下で、和田さん推薦の「心に効く」夏のレシピを紹介します。

モロヘイヤととうもろこしの摺り流し風

●材料(2人分)
モロヘイヤの葉…………… 10枚
とうもろこし(実)……… 50g
木綿豆腐…………………… 60g
塩麹………………………… 26g
塩…………………………… 小さじ1/3
アボカド…………………… 1/4個
醤油………………………… 大さじ1
水…………………………… 100〜140cc
トッピング………………… コーン粒、オリーブオイル、パセリ、ペッパーなど適量

●作り方
①モロヘイヤの葉を2分ほど大鍋でゆでる。木綿豆腐はザルにあげ、5分ほど水切り。とうもろこしは、包丁で実をとる(冷凍も可)。
②ミキサーにトッピング以外の材料をすべて入れて回す。
③冷やして器にそそぎ、トッピングをのせる。

●POINT
モロヘイヤに含まれているβ-カロテンやビタミン類、ケルセチンには抗酸化作用があるので、身体をさびさせる活性酸素から身体を守ってくれ、若々しい身体を維持してくれます。特徴である粘り気に含まれているムチンは身体の粘膜を保護する働きがあります。胃酸から胃の粘膜を守ったり、鼻や口の粘膜を強化し、体内に危険なウイルスや細菌が侵入するのをガードしてくれます。

もちきび入り夏野菜のラタトゥイユ

●材料(2人分)
【A】
きのこ類………………… 1/2パック
にんにく………………… 1片
オリーブオイル………… 大さじ2・1/2
塩………………………… 小さじ1/3

【B】
なす……………………… 1本半
塩………………………… 小さじ1/2

【C】
ズッキーニ……………… 1本
パプリカ………………… 1/2個

【D】
もちきび……………………… 10g
ホールトマト………………… 150g
塩麹…………………………… 16g程度
タイム・ローリエなど……… 適量

【E】
いんげん3本またはミックスビーンズ50g
こしょう……………………… 60g
カイエンペッパー…………… 少々
ホールトマト………………… 150g
ディル・バジル・パセリなど 適量

●作り方
①Aのにんにくは潰して、芯を取り除く。じゃがいもは薄切りにして、きのこ類は食べやすい大きさに裂く。Bのなすを2cm角位に乱切りし、塩もみする。
②水気を絞ったなすとAを鍋に入れ、野菜類から水分が出てくるまで蒸らし炒める(ナスやエリンギに焼色がつくと美味しい)。
③②に2cm角の乱切りにしたCを加えて蒸らし炒める。さらに、Dを入れて蓋をし、もちきびが柔らかくなるまで煮る(13分程度)。
④いんげんを4㎝にカットする。雑穀が柔らかくなったら、③に仕上げにEを加えて味を整え(もの足りなければ塩麹を足してもOK)、パセリなどのハーブを散らす。

●POINT
緑黄色野菜がたっぷり摂れるラタトゥイユ。水溶性ビタミンと油溶性ビタミンが豊富で抗酸化作用が高く、美容にも最適!カリウムが含まれているのでむくみ予防にも。さらに、もちきびを加えて不足しがちなミネラルを補充しましょう。

プロフィール和田和歌子(わだわかこ)さん

栄養士・発酵プロフェッショナル、フードコーディネーター。料理教室『Le Anges Blancs(レザンジュブラン)』代表。天然酵母のパンやマクロビオティック、薬膳、ローフードを学び、メディカルハーブセラピー、フラワーレメディ、アロマセラピーなどの資格を持つ。これらを統合したホリスティックフードセラピーの講座が大好評。